セシル君は素直になりたい(14)
「んはぅっ……!」
背が仰け反る。
鋭く甘い衝動に、体が自分のものじゃないように反応した。
恥ずかしかった。
ヴィンセントの手が、口が、触れるところ全てが気持ち良くて、
体がトロトロにとけていく。
それを、ヴィンセントが見ているのだ。
自然と開いたボクの足の間に、体が滑り込ませ、
彼は戦いの時みたいな真剣な眼差しをボクに向けている。
ボクは観察されながら、
じっくりと、ねっとりと、乳首をねぶられた。
「や、だっ、なんで、見て……ん、んんっ、あっ……」
抵抗しようと思えば出来るのに、
ボクはギュッとシーツを握り締めて、荒い呼吸を繰り返す。
戦慄いた唇から、飲み下せなかった唾液がこぼれた。
「見ないで、よ……恥ずかしい……か、ら……」
じいっと見られているのに、感じてしまう。
恥ずかしくて、たまらない。
それなのに、どうしてか今すぐイッてしまいそうなくらい感情が昂ぶっていた。
「はぅぁ……」
見ないで。恥ずかしいよ。
ああ、でも……
もっと、たくさん、ヴィンセントに恥ずかしいところを見られたい……
相反する感情が胸の内で渦を巻いて、ボクは混乱した。
「あっ、やっ、はぁっ、あぁつ……」
ヴィンセントは乳首の根本を指先でつまんで、
こよりを捻るようにしながら先端を舌先で突いたり、
しつこいくらいに扱いてくる。
「ヴィンセント……お願い……下も、触って……」
ボクは耐えきれずに、自らスカートを持ち上げた。
全身が強張って、下着の中で欲情が痛いほど勃起していた。
「……なんて格好をしているんだ、お前は」
ヴィンセントが呻くように言う。
見れば、彼の頬は耳まで赤くなっていた。
「……ドキドキした?」
問いに、ヴィンセントは肩を竦めた。
「…………ずっとしている。
自分の我慢強さに、驚くほどな」
言葉にキュンと下腹部が疼く。
それと同時に、彼はボクの両足を抱き上げた。
「わっ……!」
下着の片方の紐を解かれ、
反り立つ屹立が取り出される。
外気が触れて、体がピクピクした。
恥ずかしくて顔を背けると、
「ふぇっ……!? ちょ、ヴィンセント……ッ!?」
ねっとりと温かな感触に包まれて、
ボクは鋭い快感に狼狽した。
ヴィンセントの大きな口が、ボクの欲情を咥え込んでいる。
根元まで、ずっぷりと。
「あっ、は、ぁっ……口、は……ダメ、ダメ……
ダメだって、ば……ぁっ!」
苦しいほどの快感に、ボクは彼の頭を押しのけようとした。
でも、逆にヴィンセントの髪を掴んで、股間に押し付けてしまう。
「ひ、ぃっ……や、ダメ、イッちゃう……
すぐ、イッちゃうか、ら……!」
ボクは足をジタバタさせて、訴えた。
でも、ヴィンセントの力に敵うわけなんてなくて、
更に激しく吸い上げられる。
加えて、お尻に圧迫感まで覚えた。
太い指がボクをこじ開け、ぐちゅぐちゅと肉壁を突き回す。
「ぅ、あ、ぁっ、あっ、あっ、あぁあっ……!」
やがて、彼の指の腹がコリコリした部分を探り当てた。
「ひぐっ……!」
ヴィンセントがボクの反応を見過ごすことはなくて、
「あ、やめ……やめて……っ」
強く深く、そこばかりを捏ね回された。
ボクはブリッジするみたいに背を仰け反らせて、
呼吸も忘れて、中の指をぎゅうううっと締め付けた。
「い、ぃ……イッちゃ……っ!」
下腹部にわだかまっていた熱が、
怒濤の勢いで、噴き上がった。
「ん……」
絶頂の余韻に浸る暇もなく、
ヴィンセントはボクのを口で扱き続ける。
むしろ、先ほどよりも舌の動きは激しさを増していて、
ボクはパニックに陥った。
「ひ、ぃいっ……あ、やだ、やだ、口っ、離してっ……
ヴィ、ヴィンセント! ダメ、ダメ、やだ、くるしっ……」
食べられちゃう。
ボクの、おち×ちん……ヴィンセントに食べられちゃう……!
「だ、ぁ、めっ……ダメ、ヴィンセント、
やだ、やぁ……おかっ、おかひく……なっちゃうかりゃっ……!」
体がビクビクして止まらない。
ボクはヴィンセントの髪をぎゅっと掴んだ。
怖いよ。ヴィンセント。
体がバラバラになっちゃうよ……!
「んひっ、ふぐっ……ぁ、ああっ、やだ、やだ、
ヴィンセントっ、ヴィンセン……あぁぁああっ……!」
彼の口の中で、ボクは連続でイッた。
ヴィンセントの喉がゴクリと上下する。
「ひっ、ひぁっ、ぅう、
もう、もう……ゆるじて……ぎもぢいいの止まんなぃ……
ぅ、ううっ…んぅう……っ」
ボクは形振り構わず泣いて訴えた。
息の仕方が思い出せない。
頭が真っ白で、何も考えられない。死んじゃうかと思った。
「ヴィンセント……ヴィンセント……
ボクだけ、きもぢいいの……やだ……
やらよ……やら……」
だんだんと射精とは違う、尿意に近い衝動まで湧いてくる。
挿れてよ。
挿れて、ヴィンセント。
じゃないと、また……最後まで出来なくなっちゃう。
「うっ、うぅっ……ヴィンセント……
も、口は……やめ……」
しゃくりあげて泣き出した頃、
やっとヴィンセントの口が離れて、
ボクの足を下ろしてくれた。
「……悪い」
陶然とした表情で、ヴィンセントは謝った。
「う……」
謝るとかいらない。
だから、早く、早く。
「セシル。
……抱いても、いいか」
ボクを抱きしめたヴィンセントが、耳朶で囁いた言葉を、
ボクは夢見心地で聞いた。
「ん……挿れて……
ヴィンセントの……全部、飲み込みたい……」