セシル君は素直になりたい(6)
「やだぁっ、ヴィンセントっ、ヴィンセントっ、
それ……あっ、あぁっ!」
ヴィンセントの拘束はとっくに解けていたけれど、
ボクはろくな抵抗もできずに、ベッドのシーツを握り締める。
ぐちゅぐちゅと淫らな水音が耳に届いて、ボクは奥歯を噛みしめた。
歯の間から、熱い吐息が溢れ出て、グッと全身が強張った。
夢なんかとは比べられない、鋭い快感が背を走り抜ける。
ヴィンセントの抱え上げられた膝がガクガク震えた。
「ふぇあぁぁっ!」
パッと意識が弾け飛んだ瞬間、ボクの爪先は宙を蹴った。
体が、バラバラになったかと思った。
全身の毛穴から変な汗が噴き出て、息が詰まる。
1テンポ置いてから、ゆっくりと体が弛緩していった。
独特の脱力感。お腹に広がる生温かな感触。淫靡な香り。
……イッちゃった。
ヴィンセントに扱かれて。しかもお尻の穴なんて舐められて。
ボクは口元に手を当てて、浅い呼吸を繰り返した。
信じられない。ヴィンセントに……イかされた。
彼はそっとボクの両足を下ろした。
それから、ボクのヘソの辺りを――
ドロッとした白で濡れた肌を、優しく撫でた。
「……少しはスッキリしたか?」
ぼやぼやした意識の中で、ヴィンセントが問う。
「ん……」
さっきからビクビクするのが、止まらない。
こんな風に気持ち良くなったことなんてなくて、
ボクは自分の体の反応に戸惑った。
「とろけた顔をして……
気に入って貰えたようで、良かった」
「すごい……
あたま……まっしろ……」
「そうか」
「んはぅっ……!」
ヴィンセントは微笑むと、果てたばかりのソコを握り直した。
「まだ、出そうだな」
白濁で汚れた手は、さっきよりもスムーズに、
かつ更に淫らな音を立てて、再びボクを高みへと連れて行く。
「あっ、あっ、あへぁあっ……!」
……ええと、何だっけ。
ボクは何でヴィンセントに突っかかってたんだっけ?
思い出せない。
でも、なんかもう何もかもどうでもいい気がしてきた。
だって、ヴィンセントの手も舌も、とびきり気持ち良いんだ。
* * *
散々イかされた後、ボクはベッドにぐたりと肢体を投げ出した。
濡れたタオルを持って来てくれたヴィンセントが、
ボクの腕を引いて体を起こしてくれて、タオルで清めてくれた。
火照った体に、冷たいタオルはとても心地良かった。
「まだ日も高い。このまま、もう少し休めばいい」
「……ヴィンセントは?」
ボクはちらりと彼の股間に投げた。
彼のソコはズボンの上からでも分かるくらい膨らんでいる。
「俺のことはいい」
即座に固い声が言った。
ボクはこちらを見ようとしないヴィンセントに、何故だかヤキモチして、
体をくっつけた。
「セシル?」
「……ねえ。エッチ、してもいいけど」