来訪者(7)
「ふっ……ぅう、ぁ……っ」
労わるようにユリアが乳首をしゃぶり始めると、
ぴちゃ、ぴちゃ、じゅるっ、ちゅっ……と、いやらしい水音が立った。
誰だよ、こんなエロいこと教えたヤツ……!
俺だよ!!
後悔、先に立たずとはこのこと。
先ほどまでの刺激で、敏感になったソコは、
それだけでオレの体から力を奪っていく。
「……ねえ、バンさん」
「な、に……」
「あなたに僕の全部をあげるよ。だから……
バンさんのことも、僕に頂戴……?」
水音に、甘えた声が重なる。
「あなたの唇も、瞳も……この可愛いおっぱいも、全部僕のものにしたい。
ねえ、いい? いいよね……?」
「わ、かった……分かったから……」
答えると、ユリアは満足そうに微笑んだ。
それからオレを抱いたまま、ゴロリと横になる。
……もちろんユリアの唇は胸に吸い付いたままだ。
「約束だよ……」
「……そろそろ、離せって」
「もう少しだけ……お願い……
なんだか、こうしてると凄く落ち着くんだもん……」
「赤ん坊か……っ!」
押しのければいいだけなのだが、結局許してしまう自分はユリアにとことん甘い。
オレは、母が寝っ転がったまま妹に授乳していた時を思い出しながら、
ユリアの髪に手を乗せた。
「……ったく。この甘ったれん坊め」
「バンさん、大好きだよ」
「はいはい」
……どれくらい、そうしていただろう。
リラックスしてくると、オレは自身の下半身の違和感に気付いた。
あ。勃ってる。
微かにだが、下半身からやる気の片鱗を感じる。
「ユリア。おい、ユリア」
オレはユリアの肩を揺すった。
しかし返答はない。耳を傾ければ、規則正しい寝息が聞こえてきた。
「おまっ、嘘だろ……!?」
ユリアは眠っている。ぐっすりと。
あれだけ乳首を舐め回し、弄り倒し、それで寝るってありえねぇだろ!?
オレは愕然とした。
確かに、今までの失敗を鑑みれば、今夜も最後まで出来ないだろうと
思っても仕方ない。
だが、しかし、寝るって……寝るって……
オレは恨めしいやら、悲しいやら、複雑な思いで、
眠りながらも乳首を吸い続けるユリアを見下ろした。
「……まあ、しゃーない」
前向きに考えよう。
勃つようになったのなら、次はちゃんと愛し合えるということだ。
今夜、是が非でもエッチをしなければならないわけではない。
「おやすみ、ユリア」
オレはユリアの頭を抱き寄せると髪にキスを落とし、瞼を閉じた。
『乳首にシャツが擦れて大惨事』とならないように、翌日の対策を考えながら。