「ヤらせてやれよ」(4)
* * *
その後は、もう、めちゃくちゃだった。
佐藤の腰使いは拙く、ただ振って中に出すの繰り返し。
その後、お手本を見せてやると他の奴らにも輪された。
ついでに口にも突っ込まれ、俺は貴文の前で7人の相手をした。
最後の方は意識も飛んで、されるがままになっていた。
「すげーエロかったわー。貴ちゃんがヤりまくるだけあるわ」
そんな声が耳に届いて我に返ると、俺はコンクリートの床に全裸で寝転がっていた。
瞼を持ち上げるのすら億劫になるほどの、疲労感を覚える。
辺りには淫靡な匂いが立ちこめ、下着やら制服が散らばっていた。
夕空はすっかり暗くなっていて、グラウンドに光が灯っていた。
「なあ、貴ちゃん。また、ショータ貸してよ」
衣服を整えながら、佐藤たちがゲラゲラと笑っている。
俺は呆然と空を見上げた。口の中に広がる雄の味に吐き気がする。
気持ち悪くて、汚くて、そして何より情けなくてたまらない。
――その時だ。
「がッ!?」
鈍い音とともに、うめき声が聞こえた。
ぼんやりとそちらを向けば、何故か貴文が鼻血を出した佐藤を蹴っていた。
「なっ、貴ちゃっ……なんでっ……ぐぅッ!」
「……」
貴文は無言だった。無言で佐藤を蹴って、引き起こし、更に殴る。
点々と血が散った。
「ちょ、貴ちゃん! ストップ、ストップ! 佐藤、死ぬからっ!」
尋常でない様子に他の奴らも止めに入ったが、
貴文はそいつらまで殴り始める。
(貴文……?)
やがて、彼らは泣いている佐藤を抱えて逃げていく。
訳が分からなかった。
パタンと屋上に扉の閉まる音がして、俺は貴文と二人きりになった。
「……翔太」
貴文は、散在する俺の衣服を拾い上げるとしゃがみ込んだ。
「ほら」
俺は力なく体を起こして、それを受け取った。
汚れた体を拭うのも億劫で、そのまま下着を身に付けようとする。
うまくいかなかった。指が震えていた。
「やってやるよ」
貴文が手伝ってくれる。
(……意味、分かんねえ)
制服に腕を通すと、彼は俺の頬をハンカチで拭いてくれた。
ふいに、彼の手が視界に入る。それは皮が剥けて、腫れて、血が滲んでいて……
不思議な気持ちで貴文を見上げると、目が合う。
彼は形の良い切れ長の目を柔らかく細めた。
「随分と、気持ち良さそうだったな」
「は……?」
俺は耳を疑った。