このクズ野郎。俺と一緒に死んでくれ。

望んだ日常(1)

 初体験を済ませた俺は、貴文が求めるまま体を差し出した。
 場所も時間も関係なく盛る様子は、ケダモノみたいだ。

 * * *

「お……お邪魔します」

 ある日の夜。

 いつものように貴文に呼び出された俺は、
 おずおずと彼の自室に足を踏み入れた。
 何度足を運んでも、慣れない。

 そこは俺の家がまるまる入ってしまいそうな部屋だった。

 家具類はモノトーンで統一されていて、
 ズラリと並ぶ本棚に、大きなテレビ、キングサイズのベッド、デスク、
 そして大人が10人はゆったりと座れそうなソファ、
 あと、筋トレマシーンがバランスよく配置されている。

 部屋にはチリひとつない。
 部屋の主人が外へと出ている間、
 お手伝いさんが隅から隅まで丁寧に磨き上げているのだろう。

「今日は……あそこでするか」

 部屋に入るなり、貴文はデスクに歩み寄ると革張りの椅子を引いて腰掛けた。

「こっち来いよ」

「え、どうして?」
「テスト前だろ。さすがにそろそろ勉強しなくちゃならねえから。
 お前には家庭教師を頼むわ」

「家庭教師?」

「そ。早く用意してくれよ、先生」

 言って、彼はデスクの下を指さす。

「生徒にやる気出させるのも、先生の仕事だろ?
 勉強するってのは、キモチイイんだって教えてくれよ」

 つまり、デスクの下に潜り込んで彼が勉強している間、
 キモチイイコトをしろということらしい。

「嫌か? できるよな?」

 試すように、貴文が小首を傾げる。
 俺は否定も肯定もせず、デスクの下に潜り込んだ。

「いい子だ」

 立ったまま俺を見下ろす貴文のズボンを下着ごと膝まで下ろせば、彼は椅子に座った。
 デスクの上に乗っていた分厚い本を開く音が耳に届いて、
 俺は露出した一物を口に含んだ。

「ん……」

 ソレは、次第に熱を帯びていく。

「ふ、ぅ……んんっ……」

 膨張し、口に含みきれなくなると、今度は手で扱きながら舌を駆使する。
 まずは尖らせた舌で、傘張る先端の裏を舐め上げ、
 隘路に浮かぶ先走りを啜り、口に含んで舌を回す。
 唾液を塗り込めるように垂らし、手の動きを滑らかにする。

「……っ」

 貴文が息を飲む気配がした。
 少しは気持ち良く感じてくれているようで胸が踊る。

「……なあ。これで勉強できるわけ?」

「してるだろ」

(……意外だな。勉強になんて興味なさそうだったのに)

 先端にキスを落としながら、そんなことを思う。

 けれど思い返してみれば、張り出された試験結果に特進クラスの生徒に交ざって彼の名前を見たことがある気がした。

 まあ、シチュエーションのためのポーズである可能性はゼロではないけれど。

「……っつーか、先っぽばっか舐めてねえで根元の方まで飲み込めよ」

「そんなことしたら、喉に詰まるって」

 しゃぶれるなら、とっくにしている。
 せめてもと両手で扱くと、強く頭を掴まれ、凶悪に反り立つ欲望を無理矢理喉奥まで押し込まれた。

「……お前のはフェラじゃねえ。飴かっての。
 いいか? フェラっつーのは、こうするんだ」

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