人狼坊ちゃんの世話係

秘められた蜜の味(4)

「あ、ぁ……ンっ……く、うぁあ……っ!」

 ぐちゅ、にちぃ、と音を立てて、
 待ちわびた熱がオレの中に埋まっていく。

「ん……ぁ……すご……バンさんの中、熱い……ッ」

 歯を食いしばったユリアが、ゆっくり、ゆっくりと腰を進めた。
 ひどく緩やかな挿入は、もどかしく
 苦しいほど切なくて、おかしくなりそうだった。

「なんで、そんな……ゆっくりっ……」

 一息に貫いて欲しいのに。
 最奥を抉るように突き下ろして、
 何も考えられなくなるほど、めちゃくちゃにして欲しいのに……

「だ、って……痛いと……嫌だからっ……」

 じりじりと内壁を擦りながら、掘削される。
 それは拷問じみた快感だった。

 尻を振って、少しでも奥に飲み込もうとするけれど、
 ユリアはその度に腰を引いてしまう。
 すると、また入口からやり直しだ。
 オレは彼の昂ぶりを全て飲み込むまで耐えるしかない。

 鬼だ。
 鬼がいる。

「はぁ、はぁ、はぁっ……バカッ……
 頼む。頼むからっ……」

 引く結んだ唇の端から、飲み下せなかった唾液が溢れ出た。
 それを拭う余裕もなく、オレは自身の皮膚に爪を立てる。

「んぐっ……う……」

 初めてのくせに。
 なんで、こんな……オレが、乱されなきゃならねぇんだよ。

「半分、入ったよ……もう少しだから……
 切れてないよね? 痛くないよね?」

「は、ぁ……あぁぁ……」

 頭の中が灼き切れそうだ。
 ユリアは挿入に必死で、オレの状態には気付いていない。    視界がグラグラしている。
 全身の血が沸騰したように、どこもかしこも熱い。

 おかしくなる。
 おかひくなる。
 も、ホントに、やばい、やば……

「……は、入った……。
 全部、入ったよ、バンさん」

 朦朧とした意識に、掠れた声が響く。

「あ……?」

 ぼんやりと彼を見上げれば、ユリアは驚いたように目を見開き、
 やがて、はわはわと唇を戦慄かせた。

「……ど、した?」

「バンさん……それ、それ……嘘でしょ……
 そんなの、可愛すぎる……っ」

 下腹部の辺りが、生温かい。
 不思議に思って視線を移せば、そこには白い水溜まりが出来ていて――

「ふあっ……!?」

 ズンッと最奥を穿たれて、短い嬌声が漏れ出た。
 ユリアはオレの両足を抱え直すと、間を置かずに動き始める。

「あっ、あっ、あぁあっ!」

「ねえっ、挿れただけで、イッちゃったの……っ?
 こんなっ……お漏らしみたいに……たくさん出して……っ、
 バンさん、エッチ過ぎるよ……ッ!」

「ひ、ぁっ……まっ……ユリ、アっ……!」

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