人狼坊ちゃんの世話係

愛おしい人、可愛い人(1)

 ベッドに腰掛けたユリアに跨がる体勢で、オレは彼に口付けていた。

「ン……は、ぁ……」

 擦り合わせる舌が、くちゅくちゅと水音を立てる。

「ん、んぅう……バンさ……」

 唇が腫れるほどキスをしてから顔を離せば、
 ユリアはトロンとした眼差しでオレを見た。

「ねえ、バンさん……もっと、触ってもいい?」

「……そんなん、聞くな」

 オレはネクタイをスルリと解く。
 すると、その手を止めて、ユリアがオレのシャツのボタンに手を伸ばした。

 衣服を乱され、ユリアの手のひらが素肌に触れる。

「んっ……」

 熱くて、大きい手だった。
 彼はゆっくりとオレの鎖骨をなぞり、体の線を辿る。

 胸の辺りに手が移動すると、再び唇を塞がれた。

「ん、んん、ん……っ」

 指先が、乳首の周辺に円を描く。

「バンさんのココ、触る前からツンって固くなってる」

 くに、と中心を押し込まれると、たまらず体が跳ねた。

「可愛いおっぱいだね」

「ばか……そーいうの、いいから……」

 ユリアの囁き一つで、体が熱くなる。
 今まで様々なことをしてきたが、彼は特別だった。
 まるで魔法にかかったみたいに体の奥底が疼いてたまらない。

 衝動に眩暈を覚えながら、オレはユリアの股間に手を伸ばした。

「ぁうっ……」

「すっげ……バキバキだな……」

 ソコはすでにズボンの中で窮屈なほど反り立っていた。

 ベルトを脱がして、ズボンをくつろげれば脈動する逞しい屹立が現れる。
 両手で握り締めても、手に余る大きさ。
 上下に扱けば、すぐに先端に先走りが滲んだ。

「はぁ、あっ、ダメ、ですよ……ん、そんな、弄ったらっ……」

「お前だって……オレの乳首、弄り回してるだろ……」

 ユリアの指先が乳首の根本を抓まんで、引っ張る。
 押し込まれ、時折、上下に弾かれ、自然と腰が揺れる。

「はぁ、はぁ、はぁ……バンさん、も、出ちゃうからっ……」

「それなら……」

 オレは腰を持ち上げるとズボンを脱ぎ捨て、ユリアとの距離を縮めた。

「今日こそ、中にくれよ……」

 熱い屹立を尻の間に挟むようにする。
 ユリアがゴクリと喉を鳴らす気配。
 オレは下唇を舐めると、屹立に向けて腰を落としていく。

『随分と可愛い声で鳴けるようになったじゃないか』

 ふいに、地の底を這う低音が耳に響いたのはその時だった。
 首の裏が粟立ち、舌が引き攣る。

「バンさん?」

「……なんでもねーよ」

 蘇る記憶を叩き伏せるべく、オレはユリアの頬を包み込み唇を塞いだ。

「ん、んん、んむっ……」

 舌を絡め取り、渦巻く感情を抑えて穴口を屹立の先端に押し当てれば、
 慌てたように、ユリアがオレの腰を掴む。

「待って。
 ……やっぱり、挿れるのは止めましょう」

「は、何で」

「だって……その、僕の挿れたら痛そうだし」

「こんくらい大したこと……は、ないこともねぇけど、心配すんなって。
 初めてってわけじゃねぇし」

「だけど……」

 ユリアが躊躇いがちにオレの股間を見下ろす。

 オレは思わず左右の足を閉じた。
 ……内股の間に挟んだ息子は、やる気なく、しょぼけていた。

-35p-