処女喪失(4)
「ふぁっ、はっ、あっ……あっ、あっ、あぁっ!」
一定のリズムで中の敏感な部分を擦られ、俺は背を仰け反らせた。
頭が真っ白に塗り潰された。
下半身の感覚だけがやけに鮮烈になった。
電流のような衝撃が足先から頭頂を突き抜けていく。
「っ、ン、あぁ……ぁああっ……!」
体が強張り、やがて弛緩した。
穴口が、咀嚼するようにピクピクと痙攣を繰り返し、
彼の指を締め付けているのが分かる。
「は、はぁ、はぁ、はぁ……」
ぬぷんと指が抜かれると、俺は荒い呼吸を繰り返した。
飲み下せなかった唾液が、口の端からこぼれ落ちる。
(イッ……た……イッて、しまった……)
貴文の指で。
胸が熱いものでいっぱいになって、何も考えられない。
「……なあ、翔太」
「な、なに……?」
「お前、顔まで変わってねえか?」
貴文が俺を見上げている。
その濡れた眼差しの奥で情欲の炎が怪しくきらめいているのが見えて、
俺はギクリとした。
彼の股間は、ずぼんの上からでも分かるほどテントを張っている。
(あ……嘘だろ……貴文、俺に興奮してる……?)
「……お前って、こんな可愛い顔してたっけ」
貴文は俺のメガネを取り上げた。
ボヤボヤしていた視界がますます霞む。
「貴文……?」
貴文が立ち上がる。
それから、壁に片手を付いて俺の顔を覗き込んだ。
「やば。男相手だってのに、めちゃくちゃ興奮してきた。
……ま、体は女みたいだし、いっか」
鼻息荒く、貴文は自身のベルトを引き抜く。
それからズボンを寛げると、怒張した肉竿を取り出した。
「な、何してるんだよ、お前……っ」
「俺が、お前のこと、本当の女にしてやる」
(本気か?)
足の間に、熱いものが押しつけられて、心臓がキュッとした。
(や、やばい……このままじゃ、貴文にヤられる)
全身の血がドクドクと沸騰して、顔が破裂しそうなくらい熱を持った。
(どうしよう)
どうしよう、どうしよう、と生産性のない問いが頭の中を巡り、
やがてゴクリと喉が鳴る。
(めちゃくちゃ、嬉しい……!)
何度、彼に抱かれる妄想をして抜いただろう。
貴文は女が好きだから、一生、触れることすら叶わないと思っていたのに。
「翔太。挿れるぞ」
右足の膝裏に手が回る。
片足を抱え上げられると、期待に濡れた穴口に灼熱の楔が宛がわれた。
「あ、ま、待って……心の準び……ぃっ!?」
めり、と穴口を限界まで拡げられる感触。
ついで指とは比べようもない質量が隘路を引き裂き、押し入ってくる。
「ひっ……ぃっ……」
「力抜けよ」
串刺しにされたのかと思った。
水音と共に、ぐっ、ぐっ、と巨大なものが奥に進む度に、
軋むような痛みが全身に響き渡る。
「んぐ、ぅ、ま、待って、たかふっ……」
「……ったく、仕方ねえな。顔上げろ、翔太」
「んんっ!?」
助けを求めるように顔を持ち上げれば、唐突に唇を塞がれた。