秘め事(1)
苦手な方は、必ず回れ右でお願いします。
部屋の隅々まで満ちていた女子たちの残り香は、
ここ一月で全て俺のものに変わっていた。
「あ、ぁっ……貴文、いいよ……
すごい、奥っ当たって……うぁ、はぁっ……!」
仰向けに寝転がった幼馴染み――一条貴文の上で、俺は夢中で腰を振っている。
彼のネクタイを手綱代わりに引っ張って、
リズムを取りながら体を上下に揺らす。
「初めての騎乗位はどうだ? 翔太」
綺麗なアーモンド型の目を獲物を狙う猛禽類のように細めて、
貴文が俺を見ていた。
「ん……ヤバイ……ヤバイ、ヤバイ、イキ過ぎて……ッ」
俺は胸を喘がせて答える。
一人で眠るのには大きすぎるキングベッドが軋み、
結合部からはじゅぼじゅぼともの凄い音がしていた。
「はっ、顔とろけてんぞ……あぁ、くそっ、すげぇ……
中、めちゃくちゃビクビクさせて……たまんねぇっ……!」
節くれ立った貴文の指が俺の腰を掴み、
凶悪に怒張した剛直で突き上げてくる。
その度に、俺は喉笛を晒すように天を仰ぎ、甘ったるい声を上げて果てた。
快楽に溺れた体は抵抗なく真っ白な世界と、
朦朧とする現実の間を往き来する。
何度も、何度も。
「翔太は……こうして、奥……突き上げるの、好きだなぁ……?」
「好き、好きだっ……奥も、手前もっ……
あぅっ、貴文好き……貴文とするの好き……っ」
男のものとは思えない豊満な胸を見せつけるようにすれば、
貴文は上半身を起こし、たまらないとでも言うように
俺の片乳を無造作に鷲掴んで、中心を口に含んだ。
「はひっ……!?」
「ったく、この間まで冴えない童貞だったとは思えねえよ……。
この、淫乱ドスケベがッ、ホント、最高だよ……!」
盛りのついた十代の男にとって、放課後はたちまち淫靡な課外授業の時間だ。
性的好奇心は泉のように次から次へと溢れ出し、
知ったそばからなんでも試したくなる。
それは俺と貴文も同じだった。
……ただし、男の俺が女の体になっているという点を除いて。
何を言ってるか分からないだろう。
俺だってそうだった。
でも、理由なんてどうでもいい。
お陰で片思いの相手と、こうして肉体関係を持つことができた。
そして、何より気持ちがいいのだ。
「ひぁっ……た、貴文ぃっ……ち、乳首はぁっ……!」
意地悪く乳首に歯を立てながらゴリゴリと敏感な媚襞を刺激され、
飲み下せなかった唾液が口の端から溢れ出た。
「乳首好きだろ? こんなおっ勃てやがって……噛み千切ってやろうか」
「ひっ……ぁ!? やっ……!」
「なんてな。嘘だよ」
痛いくらいに乳首を舌で歯で攻め立てられてから、レロレロと優しく舌で弾かれる。
俺は柔らかな金髪に指を這わせ彼の頭をかき抱くと、ガクガクと体を震わせた。
貴文とのセックスは、乱暴で酷くて……とても優しい。
そんな風に振り回されたら呼吸もままならない。
俺をせせら笑いながら、貴文は逞しく突き上げ続ける。……最高だ。
「男のくせに……ちんこ突っ込まれて喘いでるなんて。
もう、前の体には戻れねぇんじゃねぇの?」